産地 スコットランド

スコットランドの自然が育んだ「ヘザーヒルズ・スコティッシュ・ハニー」

スコットランドの中部、パースシャーはエジンバラから北へ50~60マイルに位置し、澄んだ湖、幽玄な渓谷が点在する風光明媚な土地として知られている。
遅い春には野いちごや野生ラズベリー等ベリー類が白い花をつけ、夏ともなれば丘陵や原野は一面ヘザーの花で埋め尽くされる。
深い緑の針葉樹とヘザーの桃紫色のコントラストは圧巻だ。


豊かな大自然に囲まれたこのパースシャーにある小さな町ブライゴリーで、1945年創業の歴史を持つのが「ヘザーヒルズ・ファーム」。

このヘザーヒルズのスコティッシュ・ハニー(はちみつ)はパースシャー一帯に置かれた1300個以上の巣箱から採取されたはちみつで、
自分達以外の養蜂家が採取したはちみつはいっさい混ぜないという徹底ぶりだ。

「ブロッサム・ハニー」は6月にブライゴリーのストロベリーとラズベリー畑、
また群生する野生ラズベリーの花蜜からミツバチ達が作ったはちみつで、ベリー類のフルーティーさとベルベットのような光沢が特徴だ。
「ヘザー・ハニー」は7月半ばから9月半ば過ぎまで咲き誇る野生ヘザーの花から採れる。琥珀色に輝きクリーミーで、ヘザーの芳香を持つ。

また、ヘザー・ハニーとシングルモルト・ウイスキー(極微量)をブレンドしたものが「ウイスキー・ヘザー・ハニー」だ。
使っているウイスキーはスコットランドで一番小さな蒸留所「エドラドール」の10年ものだ。

ところで、はちみつはあたかもワインのように生産地域、花の種類、気候によってそれぞれ個性ある風味になる。
「ヘザーヒルズ・ファーム」ではパー スシャー地方の自然が育んだはちみつを尊重し、他の地域のものは一切ブレンドせず、そのピュアな味と品質を頑なに守っている。
また、ここのもう一つの特徴は採取からびん詰め・ラベル貼りまですべて手作業で行なっている。
さらに、フレッシュな風味を大切にするため、生産管理・蜜蜂の管理への心配りは厳しい。

イギリスのアフタヌーン・ティーは有名だが、スコットランドでもその習慣は健在だ。
毎日、午後5時頃になるとホームメイド・ケーキや軽い食事を取りなが ら一日の仕事の後りのひとときを楽しむ。
「ブロッサム・ハニー」「ヘザー・ハニー」「ウイスキー・ヘザー・ハニー」はケーキに添えたり、ケーキに焼き込んだり、スコーンに添えたり、
バターをたっぷり塗ったトーストにつけたり、あるいはヨーグルトや紅茶に入れたりと大活躍している。
またアイスクリームやフルーツ・コンポートをはじめ、鴨料理、最近では和食の煮物に使う料理人もいて、その応用範囲は広い。

これら3種の個性的な風味と芳香を持つヘザーヒルズ・スコティッシュ・ハニーの天然の甘味は、きっと多くの料理人たちに新しいインスピレーションを与えてくれるだろう。

美しい国 スコットランド

スコットランドの国花は「アザミ」です。ご存じですか?

独特の趣で訪れる人を温かく迎えてくれるスコットランドの人々、人をもてなすことが大好きな国民です。

スコットランドはイングランドの延長であると考えるのは誤りです。
スコットランドは700年間に渡りイングランドの支配を退けて来ました。
スコットランドの歴史はスコットランド独自のものなのです。
現在でもスコットランド議会があり、自国の紙幣を発行しています。

素晴らしい景観と環境、史跡と歴史、
文化、食文化、スポーツとレジャー設備などが揃っていて充実している国です。

天気が良いとスコットランドは世界で最も美しい国のひとつとなります。
なぜなら、光の質が異なるのです。それが変化に富んだ草木や地形をつくりだし、様相を変えるからです。
そして様々な色調が四季折々にスコットランドの風景を生み出しています。
海や湖はもちろんのこと、遥かな丘陵までが青色 に染まるのです。
春は緑と白が深みを、夏には薄紫、桃紫や青紫が加わり、秋には湖の青に褐色、キャラメル色、あずき色、
そして海藻の濃い橙色が広がり、そして冬、鮮やかな白、灰色、黒、濃い青で彩られた風景になります。

夏、丘陵も荒野もそして辺り一面がヘザーの花で埋め尽くされ、桃紫色で彩られるパースシャー一帯の美しさは圧巻の一言に尽きます。

スコットランドの人々が最も愛する植物ヘザーにまつわる物語をお話します。

神様の贈り物

神様が世界をお創りになった時、神様はスコットランドの岩肌もあらわな不毛の丘陵地帯をご覧になり、丘の斜面を美しくするために植物を植えることにしました。

神様は先ずすべての木々の中でもっとも強靭なジャイアント樫に向かって「裸の丘陵地帯へ行って暮してくれないだろうか?」とお尋ねになりました。
でも、樫の樹は「岩の多い浅い土壌では根をはって繁ることは無理です」と言って断りました。

次に神様は黄色い花をつけ、良い香りのするスイカズラに近ずき、
もし彼女が裸の丘陵地帯いっぱいに彼女の美しさと素敵な香りとを広げてくれたらうれしいのだがどうだろうかとお尋ねになりました。
しかし、スイカズラもまた不毛地帯には彼女が暮してゆく為に必要なものは何もないからと言って断りました。

そこで、神様はすべての花の中でいちばん美しく甘い蜜を持つバラを選んでお尋ねになりました。
「バラよ、もし貴女がこのゴツゴツした丘陵地帯をあなたの優美さと華麗さで美しく飾ってくらたら何処よりも素晴らしくなるのだが…」
でもバラは「丘の斜面は冷たく強い風が吹くし、激しい雨が降れば水浸しになってしまうから、私は暮してゆくことが出来ません」と神様に言いました。

樫にも、スイカズラにも、そしてバラにも失望した神様はそこから立ち去りました。
そして遂に神様は桃紫色の小さな・小さな花びらをつけて生えている背の低い緑色の潅木に出会いました。それはヘザーでした。

神様はヘザーにお尋ねになりました。「裸の丘陵地帯へ行き、はびこってそこを美しくしてくれないだろうか?」と。
ヘザーは貧相な土壌と荒々しい気候を考えてしまいました、そしてその様な環境の中では神様の望み通りに出来るかどうかとても不安になりました。
でも、心の優しいヘザーは神様の方を向いて、「もし神様が私にそうして欲しいとお望みでしたら、最善を尽くしてやってみましょう」と答えました。

神様はたいへんお喜びになりました。そしてヘザーに3つの贈り物を与えることにしました。

まず最初に、神様はヘザーに樫の樹の強さを与えました。だからヘザーの外皮は世界中のどの樹よりも、どの潅木よりも優る強さを持っているのです。

次に神様はヘザーにスイカズラの香りを与えました。ヘザーの素敵な香りは今でも香水石鹸や化粧品にまで使われるほど人々に愛されています。

最後に神様はヘザーにバラの花蜜が持つ甘さを与えました。それでヘザーの花は味わいの良い甘い蜜を持っているので、蜜蜂たちの大好きな花になったのです。

この様な訳でそれ以来今もなおヘザーは神様から与えられた3つの素晴らしい贈り物を持っている植物として伝えられ、スコットランドの人々に愛されています。
また、スコットランドの人々は「ヘザーは人々に幸福と勇気を与えてくれ、そして危機から守ってくれる素晴らしい植物」だと信じています。

ワイルドへザー

ヘザーヒルズ・スコティッシュ・ハニーを語る上で、ワイルド・ヘザー(ハニーの原料となる花)の存在は欠かせません。

ヘザーには1000種類を越える栽培種がありますが、ワイルド・ヘザーはスコットランドの中でもハイランズ中部と北東部の丘陵や荒野だけに自生し、桃紫色のお米粒くらいの小さな花をつける潅木です。

ヘザーヒルズのヘザーハニーは更に限られた地域、美しいブレア城があるブレア・アソール、エドラドール蒸留所があるピトロッホリィ郊外から東へ英王室の人々が夏に過ごすロイヤル・ディーサイドの間のワイルド・ヘザーが咲き乱れる最も美しい地域で採れるのです。
遠い昔ヴィクトリア女王を虜にした程風光明媚な地域です。


ワイルド・ヘザーの花の形は、ベル形(つり鐘形)とリング形(リングは鱈に似た魚)の2種類です。
ベル形がたくさん咲いた年と、リング形が沢山咲いた年とでは、ハニーの味・香り・色が異なります。
そして、ヘザーの花は同じ場所で約2ヶ月半以上も咲き続けますから、晴天が続いた期間に採れたハニーや雨・曇りが続いた期間に採れたハニーでも味・香り・色そして食感も微妙に異なるのです。

この様な要因と環境から生まれるヘザーヒルズ・ヘザー・ハニーが世界で一番デリケートなハニーと言われる所以もお分かりいただけるでしょう。

大自然の恵み、そして自然を愛する国民の心の象徴としてヘザーヒルズ・スコティッシュ・ハニーは存在します。
まさにスコットランドの大地の結晶です。

スコットランドの至宝「へザーヒルズ・スコティッシュ・ハニー」

スコットランドの中部パースシャー、そこはスコットランドでも風光明媚な場所として知られたところです。

美しいお城、たくさんの湖や峡谷が山々の間に点在しています。
自然を大切に受け継ぎ緑の美しいこの国には、温かな心の人々と世界一素晴らしいはちみつがあります。
それがヘザーヒルズ・スコティッシュ・ハニーです。

このはちみつを生産するヘザーヒルズ・ファームはハイランド・パースシャー地方のブライゴリーという緑豊かな美しい村にあります。


真っ白な美しいお城ブレア城を持つアソール公爵家所縁の氏族である兄弟、バーナードとマークによってヘザーヒルズ・ファームは経営されています。

ヘザーヒルズ・ ファームが生産するヘザー・ハニーを生むワイルド・ヘザーはハイランド・パースシャーにあるピトロッホリイから東へロイヤル・ディー・サイドまでのさらに限られた地域に自生するヘザーであるため、
生産量も少なく大変貴重なはちみつとして 古くからスコットランドの人たちに愛されています。

また、ヘザーは神様から贈られた3つの贈り物を持つ植物として伝えられています。
その3つの贈り物は、「樫の木の強さ」、「スイカズラの素敵な香り」、「バラの花の甘さ」です。
さらにヘザーは、人々に幸運をもたらし、勇気を与えてくれ、そして危機から守ってくれる植物としてスコットランドの国民に大切にされています。

自然破壊・食文化の崩壊など、現代社会の人々は心の豊かさを失いつつあります。
そんな中、大自然の恵みを享受し、私たちに健康を啓発するヘザーヒルズ・スコティッシュ・ハニーはスコットランドだけではなく、全世界の宝物なのです。

食材の宝庫

スコットランドの食文化

ここ数年間でスコットランドは進取の気性に富んだシェフ達や熱心な生産者達、また「ナチュラル・クッキング」と言われるスコットランド挙げての制度などによってスコットランド全土のレストラン・ホテル・気さくなバーまで、海の幸・山の幸を堪能できるようになっています。

スコットランドのレストランで食事をする時にうれしいのは、料理にスコットランドの大地や荒々しい海岸線を感じることだと言われています。

スコットランドのシェフ達は新鮮で自然の食材を活かすことが非常に上手ですが、これはスコットランドで継承されてきた伝統のひとつでもあるのです。

スコットランドのスモール・ハウスやゲスト・ハウスに滞在すると
ヘザーヒルズ・スコティッシュ・ヘザーハニーが蜂の巣を模った瓶のままテーブルの上に置かれています。


スコットランドはロブスターも牡蠣もムール貝も格別な味ですが、テイ川、ツイード川、ディー川で獲れるサーモンを忘れることは出来ません。

またスコットランドは野鳥、鹿が美味しい国です。
鹿肉は肉類の中で最もヘルシーな食材の一つです。
秋になるとキジ、カモ、山ウズラなどが食卓を飾ってくれます。
ビーフはグランピアン丘陵で育つアンガス牛、
また、ローランドで育つ春の仔羊は見事な美味しさで他に匹敵するラムはないと言われています。


フルーツはなんと言ってもベリー類で、パースシャーでは本当に美味しいストロベリー、ラズベリー、グーズベリー、ブラックカラント、テイベリー、クラウドベリー等沢山のベリーが採れます。

ヘザーヒルズ・ハニーファームでもこれらのベリー類のフレッシュベリーとスコットランド伝統のブランシュガーで手作りのフレッシュ・ジャムを販売しています。
水は一切使いませんので、フルーツそのままの味を楽しむことが出来ます。

スコットランドを代表するウイスキーもスコットランドで一番小さな蒸留所「エドラドール」からスペイサイドやアイラ島周辺の蒸留所とそれぞれの味が楽しめます。

このように彩り豊かなスコットランドの食文化の中でも、
格別な光を放つのが「ヘザーヒルズ・スコティッシュ・ハニー」です。


スコットランドの食文化 その2

水温が低すぎるため夏でさえ殆どの海、川、湖では泳げないスコットランドでも、この事が幸いしてお魚の味と質は抜群に良いのです。
スコットランドの海の幸を楽しむ最高の方法は、北西部の海岸線に沿って散策しながら途中にあるレストランで、新鮮なままグリルしただけのロブスターを召し上がってみるのはいかがでしょうか?
手長海老、牡蠣、ムール貝も格別ですが、スコットランドのサーモンとマスは肉厚で最高ですし、スコットランドで獲れる平目やカレイは北海の白身魚の王様と言われるほど美味です。

スコットランドが食べ物の宝庫であることがお分かり頂けるでしょう。
でも、残念なことにスコットランドが食べ物の宝庫であることをご存知の人は少ないのですよ。

スコットランドは1年のどんなシーズンに訪れても何処かで、食べ物や飲み物のフェスティバルが開催されています。
この様な国は稀と言っても過言ではないでしょう。
ご存知でしたか?

特にファーマーズ・マーケットでは、その土地の人と触れ合い、
良質な特産品を求めることが出来る絶好の機会に出会えます。

例えば、毎年9月にオークニーで開催される恒例のオークニー・フード・フェスティバル。島の特産品が並びます。
チーズやシーフードはもちろんのこと、「ビア」バノックと呼ばれる郷土の特産品。
これは何世紀にも亘ってオークニーで栽培されて来た大麦の初期の品種「ビア」を使って作る円盤状 のパンです。まさにオークニーの味と言われる品です。


ヘザーヒルズ・ファームのあるパースシャーはワイルド・ヘザーの花が咲き乱れる風光明媚な地方として有名なばかりではなく、ベリー類の産地としても有名です。
ベリー類の花蜜から採れるヘザーヒルズ・ブロッサム・ハニーは逸品です。
ストロベリー、ラズベリー、クラウドベリー、ブラックカラント、テイ湖の湖畔にのみ育つテイベリー、そしてスコットランド特産のローガンベリーなど小果実が豊富です。
列をなして続く独特の植え付けはブドウの樹(?)と見間違うほどです。
これらの小果実は朝食にフレッシュで、ジャムに仕立てて食卓に並びます。
また、デザートとしてフレッシュを楽しむことも出来ます。

ヘザーヒルズ・ファームの経営者の一人であるマーク・ヌーナンはシーフード・レストランのシェフをしていた経験があり、彼独自のレシピでヘザーヒルズ・ファーム近郊で採れる朝摘みのストロベリー、ラズベリー、ブラックカラントを原料に3種類のフレッシュ・ベリー・ジャムを作って「ヘザーヒルズ」ブランドで販売しています。もちろん手作りです。
水を全く使わず、フレッシュ・ベリー類とスコットランド伝統のブラウン・シュガーだけで作ります。素晴らしく美味しいジャムで、まるでフルーツそのものを食べているようです。
2004年イタリアで開催された「スローフード・フェスティバル」で絶賛されたジャムです。もちろん、ヘザーヒルズ・スコティッシュ・ハニーが絶賛されたことは言うまでもありませんが…

アンガス地方にはフォーファーのブライディ(ミートパイ)、
アブローズのスモーキーズ (魚類の燻製)、
キリーミュアのジンジャーブレッド(ショウガ入りのクッキー)、
ダンティーのマーマレードやダンディ・ケーキがあります。

マーマレード・ジャムの発祥地がこのダンディーだったと言うこと、皆さんご存知でしたか?


ファイフとアンガスの漁港で獲れるシーフードの美味しさは良く知られています。
なかでも貝類の美味しさは格別です。
アブローズ特産である 「スモーキーズ」 と呼ばれるお魚類の燻製は抜群に美味しく有名です。各地にシーフード・レストランがあるこの地方は郷土料理を楽しむことが出来ます。

王室の人々の休暇地として長い歴史を持つアバディーンとグランピアン・ハイランズ、魅力あふれる地域です。
アバディーンはスコットランド第三の都市、北海と北欧に臨み北の雰囲気が漂います。漁港は北東一角に集り、沿岸の町や村では最高のシーフードを楽しめます。
また、北東部は農業地帯としても重要でシェフ達のインスピレーションの源にもなっています。毛足の長いアンガス牛の故郷でもあるのですよ。

ハイランズもまた豊富な海の幸を楽しむ事が出来ますが、晩夏に催される「タリスカー/スカイ/ロッハルシュ フード アンド ドリンク フェスティバル」やテイン、ディングウォール、インヴァネス、フォートウイリアムスで開催されるファーマーズ・マーケットのイベントも有名で、これらはハイランズの食文化の表れなのです。

スコットランドを訪れる時には是非スコットランドの食文化を堪能して下さい。
人をもてなすのが大好きなスコットランドの人々、きっと楽しい思い出が作れます。

スコットランドのチーズをご存知?

日本ではチーズと言うとフランスと思っている人が多いですが、スコットランドにも美味しいチーズがあります。

マル・チェダー、ダンシャー・ブルー、ロッホ・アーサーズ・クリフェル、カボック等などです。これ等の中で、15世紀にスカイ島から伝わり、
当時の製法を現在も守っているハイランド・ファイン・チーズ社のカボックは絶品です。

歴史あるハイランドに伝わる手作りチーズ「クラウディ」

スコットランドの最も古いチーズ「クラウディ」はバイキングとピクト族の時代(5世紀)にさかのぼると考えられていますが、その製法は完全に失われてしまったと思われて来ました。しかし、1960年代にある農家の主婦に受け継がれていた事が分かりました。

ハイランドのすべての小農家によって作られていた時代、「クラウディ」は炉辺の火の温かさや窓辺に射し込む陽射しでフレッシュ・ミルクを発酵させ、それが固まるまでゆっくりと優しくかき混ぜました。
そしてそれが分離して固まるとホエイを流し、塩とクリームを加えて凝乳(カード)を作りぼろぼろとしたもろい真白なチーズに仕上げていました。
ピクト時代には固く塩の利いたカードを土器の中に詰め込み、溶かしたバターで蓋って、長期間保存出来るチーズに仕上げていました。

第二次世界大戦の後も知られていなかったクラウディの製法、そして小農にも受け継がれていないと思われていたクラウディでしたが、その後テインのロスシャー村に住むスザンナ・ストーンに製法が受け継がれていたことが分ったのです。

1962年のある日、スザンナ・ストーンは沢山作り過ぎたため、余ったクラウディを近郊の食品店に販売を依頼しました。
クラウディの存在が明らかになった運命の日です。
これはハイランドにクラウディが戻って来たという素晴らしい出来事でした。
スザンナのクラウディは家族経営で生産される最初の職人技のチーズとして世に出たのです。

現在のハイランド・ファイン・チーズ社は、スザンナの息子によって経営され、クラウディの製法は受け継がれています。

職人技として伝えられて来たこのクラウディ・チーズは、現在コナージ・ハイランド乳業によっても生産され、彼等独自のクラウディを作り、2008年英国チーズコンテストではエントリーした全英チーズの中から最高のスコットランド・チーズとして表彰されました。
「スコッチ・ウイスキーが病気を治す効果があるという事実が軽視されて来ましたが、クラウディはケルト時代以前から伝統的に胃の消化を助けるために食されてきたのです。」と独特のホイップムースでよく知られているコナージ社のパートナー ジル・クラーク氏は語ります。

クラウディは特にジャムと一緒にスコーンにのせて食べると素晴らしく美味しいし、またハイランド伝統のクリーム・ティーにこのクラウディをひとひねりして入れると、これもまた素晴らしく美味しいティーが味わえるのです。

スコットランドには小農家によって伝えられて来た素晴らしい食材が溢れているのです。これは引き継がれてきたスコットランド魂だから出来ることかも知れません。また、バターのお話もいかがでしょうか?

美味しいローカル・バターは素晴らしい!

スコットランドにはたくさんの素晴らしいローカルチースがあり、それらを探すことはさほど大変なことではないのですが、
ファーム・メイドのローカル・バターを探すのは大変なことです。

30年以上自分で飼っているジャージー牛からバター、チーズ、クロテットクリームを手作りしている
ケルソ近くのステイチル村に住むブレンダ・ラディ女史はそれらを作るうえで経験したことから学んだり、いろいろ思考錯誤しながら作ってきました。

「ミルクからバターやチーズ、クロテットクリームを作るより、大きな会社にミルクを売る方がずっと簡単で楽です。でも手間暇かけて手作りするバターやチーズ、クロテットクリームの美味しさは言葉に表せないほど格別なのです。」と彼女は語ります。

ブレンダの娘のスーザンはミルクを搾り週3回手作りバターを作るのを手伝います。彼女たちは200gと250gの「ゴールド・バター」と言われる手作りバターを毎週近郊のファーマーズ・マーケット、デリカテッセン、ガーデンセンターや小さなホテルで販売しています。

また、ロッホ・アーサー・クリアリィで社会的プロジェクトの一貫として障害者達によって少量の手作りバターを生産し、ダムフリーズ近郊のファーム・ショップで販売しています。

そのプロジェクトマネージャーのバリー・グラハム氏は、「ある小さな酪農家はそこで生産するミルクから作るクリームを大型の搾乳機に入れて丁寧に手作業でかき回しながら伝統的な美味しいバターを作っています。
もちろん大量には生産出来ないのですが、2005年から有塩と無塩の両方を手作りして、伝統的な「ゴールド・バター」を販売しています。
この伝統的な「ゴールド・バター」は素晴らしく美味しいバターです。」と話します。

皆さん、味わって見たいと思いませんか?

スコットランドの良質な牛乳から作られるカボックと言うチーズは、驚くほど濃密で、
ほのかにレモンの香りがするとろける様なダブル・クリームチーズです。
このチーズは15世紀にスカイ島から伝わり、
当時の製法を頑なに守りながらハイランド・ファイン・チーズ社によって作られています。

スコットランドの人は、このチーズにヘザー・ハニーやウイスキー・ヘザー・ハニーをかけて食べるのです。こうすると、素晴らしく美味しいデザートとしても通用します。

この様にヘザー・ハニーはいろいろなところで活躍し、スコットランドの食生活には欠かせないのです。
ヘザー・ハニーがスコットランドの宝と言われる所以です。

美味しさいっぱいのスコットランド

スコットランドの朝食はどの国よりも充実しています。
スコットランドの気候と風土から生まれる食材は多様でどれも世界の中でも指折りの品質を誇ります。
汚れのない自然環境が高品質の産物を生み出すのです。スコットランドの朝食、それもフルコースをご紹介します。


1.ポリッジ (オートミール等のミルク粥)
2.キッパー(燻製ニシン) または ハドック(タラの一種)
3.卵料理 (プレーン・オムレツやスクランブルエッグなど)
4.ブラックプディング (ソーセージの一種)
5.軽くスモークされたベーコン
6.ポテト・スコーン
7.厚切りのホームメイド オートケーキ バター&ヘザー・ハニーを添えて
8.ティー または コーヒー

一日の始まりに食べる朝食はとても大切なのです。
また、スープ類も沢山あります。スープだけでも食事として通用するほどボリュームたっぷりです。

  • コッカリーキー (チキン・長ねぎ・プルーンの入ったスープ)
  • スコッチブロス (いろいろな野菜の実沢山のスープ)
  • カレンスキンク (ハドックの燻製入りスープ)

いかがですか?充実しているのも納得!

魅惑の国

エジンバラ祭り

毎年8月から9月初めにかけてエジンバラ祭りが開催され、世界各国から人々が集います。

中でも圧巻なのはエジンバラ城で開催される「エジンバラ ロイヤル ミリタリー タトゥー」でエジンバラの誇りです。
また、お祭りのフィナーレを飾る花火もまた素晴らしい行事です。

2010年はこのロイヤル・ミリタリー・タトゥーが60周年を迎えるので、
8月6日から8月28日まで、
月曜日~金曜日までは午後9時、
土曜日は午後7時半と午後9時半の2回催されることになっています。

エジンバラ ロイヤル ミリタリー タトゥーは世界で最も豪華なミリタリー タトゥーです。
1度ご覧になってみてはいかがですか?

毎年ワクワクする様なプログラムがあちこちで組まれます。
人気が高いのはバグ・パイプ隊や軍楽隊に寄るアンサンブルです。2010年は参加する多くのバンドの中には南アフリカ・アイリッシュ連隊 (South Africa Irish Regiment)、南オーストラリア・バグパイプ隊 (South Australian Pipes and Drums)、そしてかの名門コールドストリーム ガーズ軍楽隊(Military Band Coldstream Guards)の演奏やパレードが楽しめます。

また、お祭りのフィナーレを飾るエジンバラ城で繰り広げられる沢山の打ち上げ花火、花火に合わせてオーケストラの生演奏が奏でられます。

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